手術終了の予定時間はとっくに過ぎていた。
昼間、別の主治医が来て
輸血の承諾書を書くように言われた。
輸血?
心なしか焦っているようにも見えた。
愛する夫だとしたら
何があったのか問い詰めたかもしれないが
別に手術が成功しようがどちらでもいいので
書けと言われれば書きます、という
それだけでしかないので
言われるがまま署名した。
その後、数時間経ち
看護師が手術の終了を告げに来た。
待合室に執刀医が来て
手術は成功したと言った。
「ありがとうございます」
と夫のために頭を下げている自分を笑った。
そして執刀医は最後に言った。
「(この病気で)死ぬことはもうありません」
そう言われても、何とも思わなかった。
「よかった」とも「ほっとした」とも感じない。
あの人をもう愛していないんだと改めて思った。
昼間、別の主治医が来て
輸血の承諾書を書くように言われた。
輸血?
心なしか焦っているようにも見えた。
愛する夫だとしたら
何があったのか問い詰めたかもしれないが
別に手術が成功しようがどちらでもいいので
書けと言われれば書きます、という
それだけでしかないので
言われるがまま署名した。
その後、数時間経ち
看護師が手術の終了を告げに来た。
待合室に執刀医が来て
手術は成功したと言った。
「ありがとうございます」
と夫のために頭を下げている自分を笑った。
そして執刀医は最後に言った。
「(この病気で)死ぬことはもうありません」
そう言われても、何とも思わなかった。
「よかった」とも「ほっとした」とも感じない。
あの人をもう愛していないんだと改めて思った。